令和5年度 知って安心 おひとりさまの「マネープラン」と「もしもの備え」

開催日・開催時間

令和5年12月1日(金)、12月22日(金)18時30分~20時30分


対象

テーマに関心のある人(50才以上)

事業報告

昨今、家族の形態が多様化しおひとりさま世帯が増加しています。おひとりさまの世帯には経済的困窮、制度や情報を知らない、地域とのつながりが少ないなどの理由で複合的困難を抱えてしまうことがあると言われています。そのため、今回の講座では、おひとりさまが不安を抱えていることに焦点をあて、それに備える知識や情報を学びました。

チラシ

第1回は、ファイナンシャル・プランナーの結城正人さんをお迎えして「おひとりさまのマネープラン」をテーマにお話ししていただきました。65歳以上の一人暮らしの世帯が年々増加している現状や65歳以上の「年金で暮らしている単身無職世帯の一般的な家計収支では、支出が収入を上回っており、不足分が生じていること、男女別の年金収入のデータからは、会社員における厚生年金支給額の男女差(女性の方が少ない)が大きいことがわかり驚きでした。
次は公的保険(社会保険)について、高額療養費制度を使った後の医療費自己負担額を、病名、入院期間、先進医療による治療の有り無しの条件を変えて、具体的にお話しされました。高額療養費制度を使ったとしても、多額の医療費を負担しなければならない状況が生じることもあることがわかりました。
最後は、老後の住まいについて、持ち家、賃貸、高齢者向け施設について、メリット、デメリットを教えていただきました。
質問コーナーでは、無記名の質問票を使って、参加者がお金に関する今聞きたいことを質問し、答えていただき終了となりました。
参加者からは、「自身の生活を『見える化』で、数値化していくことによって、補わなければならないことが何なのかが分かりました。」「医療費の自己負担額について、具体的な例があり、とても分かりやすかったです。」などの声がありました。

第2回は、NPO法人おひとりさま浜松事務所所長の山﨑みえ子さんをお迎えして「もしもに備える」をテーマにまずは「健康」と「住まい」についてお話しいただきました。
「健康」の中では、何かあった時のために人とつながっておくこと、かかりつけ医を見つけておく、地域包括センターの活用など、おひとりさまだからこそ重要な点がよくわかりました。
「住まい」に関しては、ハザードマップの確認や小さな太陽光パネルの用意、自宅の老朽化チェックなど防災に絡めて、自分のことは自分で守るための備えについてお話しされ、後半は、死後事務と成年後見制度についての注意事項や費用について教えていただきました。
最後に大切なポイントとして、人とつながること、社会とつながること、地域包括センターや社会福祉協議会などを利用し、困った時は行政等に助けを求めることも必要です、として締めくくられました。
休憩をはさんでのグループワーク(交流会)は、参加者のみなさんが本講座への参加動機や感想を話しながら、不安や思いなどの共有をおこなう交流の時間となりました。終了の際には「またお会いしましょう」と声をかけあう姿も見られ、参加者どうしのつながりの場となりました。
参加者からは、「漠然としていたことが、少しみえてきた気がします。」「行く先がとても不安ですが、準備できることがいろいろあるとわかりました。」「もっと回数があればさらに詳しい話を聞きたいと思いました。」などの意見・感想をいただきました。

今後もあいホールでは、おひとりさまが自ら行動して備え、安心して老後をすごすための講座を開催していきたいと思います。