はままつジェンダーラボ① パートナーシップ宣誓制度から考える婚姻制度

開催日・開催時間

令和3年8月15日(日) 18:00~20:30

対象

一般市民

事業報告

はままつジェンダーラボ ①パートナーシップ宣誓制度から考える婚姻制度の実施報告です。

 

『はままつジェンダーラボ』は、ジェンダーをテーマに参加者の皆さんと一緒にこれからの社会のあり方を考える3回講座です。第1回は、『パートナーシップ宣誓制度から考える婚姻制度』をテーマに8月15日、あいホールとオンライン配信で開催されました。

浜松市では2020年4月1日からパートナーシップ宣誓制度がスタートし、31組が宣誓されました(2021年5月31日現在)。全国的にもパートナーシップ制度は広がりつつあり、今はファミリーシップ制度の導入まで進んでいる自治体もあります。

なぜ今、パートナーシップ制度が自治体で進められているのでしょうか。
今回は、パートナーシップ宣誓制度をきっかけに婚姻制度について考えてみることにしました。

 

第1部は、明治大学教授の鈴木賢先生から全国に広がるパートナーシップ制度の概要や導入効果、台湾の同性婚について解説をしていただきました。

パートナーシップ制度は、2021年7月16日時点で111の自治体に広がっているそうです。

鈴木先生は、パートナーシップ制度は同性カップルを可視化することになったと話し、同性婚実現の足掛かりになると語られました。また、世界では同姓婚を認める国が29もあり、台湾も2019年5月に同性婚が法律で認められました。台湾では「同性カップルの婚姻を法的に認めるかどうか」という問いに対し、2018年では、「反対」が半数あったものが、3年後の2021年には「賛成」が6割を超え、制度が世論を変えたといわれています。

日本でも、今年の3月に札幌地裁が、同性婚を認めないのは「違憲」とした判決がでました。鈴木先生は、この判決を同性婚実現への大きな一歩であり、今後も全国で行われる同様の裁判を見守りたいと語られました。

第2部は、パネルディスカッションです。はじめに、進行役である静岡大学 学術院 情報学領域 教授で、パートナーシップ連絡会呼びかけ人の笹原恵先生より、浜松市におけるパートナーシップ宣誓制度の概要や成立までの経緯について解説をしていただきました。

笹原先生は、浜松市のパートナーシップ宣誓制度は、性的マイノリティの人に限らず、様々な事情により、現行の婚姻制度を利用できない事実婚の人も対象としていると解説された中で、浜松市は、制度成立前に市民からの意見を聞く場を設けたことで、このような先進的な内容になっているとも話されました。

その後、浜松市UD・男女共同参画課課長の新谷直幸さんからのビデオメッセージを視聴しました。新谷課長からは、浜松市での宣誓状況や今後の課題について話された後、同性婚が認められていない社会で、悩んでいる人や苦しんでいる人が一人でも減るのであれば、パートナーシップ制度は十分意義のある制度であり、ぜひ多くの方に利用していただきたいというお話がありました。

その後、浜松市のパートナーシップ宣誓制度の利用者である鈴木げんさん(浜松トランスジェンダー研究会)と加藤千恵子さんに利用のきっかけや、宣誓してからの変化について発表していただき、浜松市のパートナーシップ宣誓制度の成立に関わった大畑智矢さん(にじいろ安場主宰)や第1部講師の鈴木賢先生にもコメントをもらいました。

 

 

 

 

他にも制度利用者のパートナーさんにも、制度を利用したきっかけや、周りの人々の反応などをお話していただいたり、会場からの質問にも答えたりと、2時間半があっという間でした。

参加者からも

・パートナーシップ宣誓された当事者の声を聴くことができたことは本当に貴重な時間でした。身近な社会的なこととして感じることができました。

・パートナーシップ制度やファミリーシップ制度が県レベルでも広がり、現行の婚姻制度を改善しながら同性婚もできるようになってほしいと思いました。 また、浜松市でパートナーシップを宣誓した方のお話を伺うことができ、大変感動しました。職場の困難等が少し解消されたり、周囲から祝福されたとおっしゃっていて、改めて浜松市でパートナーシップ宣誓制度ができてよかったと思いました。

といった声が寄せられました。

はままつジェンダーラボは今後もジェンダーに関する問題を取り上げていきます。

 

〇これからの「はままつジェンダーラボ」

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11月27日(土)「メディアとジェンダー」~身の回りにある情報からジェンダーを考える~(10月15日から受付開始)