令和4年度あいホールフォーラム長野智子講演会 「教えて!長野さん 女性議員が増えると何がいいの? 今、私たちにできるアクションとは」

開催日・開催時間

開催日・開催時間
日時:令和5年3月12日(日)14時~15時30分

対象

浜松市在住・在勤の方

事業報告

あいホールでは市民の皆さんに「男女共同参画」や「ジェンダー平等」について考えてもらう機会を提供すべく、毎年、著名人を招いた講演会を開催しています。

今年度はジャーナリストとして活動する他、超党派で進める「クオータ制実現に向けた勉強会」の事務局長である長野智子さんをお招きし、「教えて!長野さん 女性議員が増えると何がいいの? 今、私たちにできるアクションとは」と題して「政治とジェンダー」についてご講演いただきました。

長野さんは2年前まで20年半も報道番組のキャスターを務めてきました。その頃から政治分野のジェンダー格差に関心はあったものの、ジャーナリストとして政治家とは一歩引いた立場で関わるようにしてきため、取材や調査を行うことはできなかったそうです。2年前に番組が終了したことで、長年抱いていたこの政治分野のジェンダー格差について取材をしてみよう!と本格的に政治とジェンダーの問題に取り組み始めたということです。

講演ではまず日本の政治分野のジェンダーギャップ指数が146か国中139位と遅れている現状を説明されました。

さらに「男女比1:1の社会で、9割が男性という同質性の高い組織が、ライフスタイルや価値観の変容してきている社会の課題を解決できますか?」という女性総合職の大幅登用に大きく舵をきった大手企業社長の言葉を紹介されました。
これは経済分野だけでなく、政治分野にも共通していることではないか、と長野さんは考えたそうです。多様な問題に対してスピードを持って解決するためには、国民の約半数である女性が意思決定の場に必要であり、政治分野においても男性が9割という同質性の高い状況に、警鐘を鳴らされました。

また2年間での取材で分かったことのひとつとして、ノルウェーについてお話していただきました。ノルウェーは、政治分野でのクオータ制をはじめて導入した国であり、現在は企業役員への女性クオータ制も実現し、GDPでは世界でも上位、経済的にも発展した国になっています。そのノルウェーが政治分野でのクオータ制を導入した時には、女性優遇だという意見があったそうです。それに対してノルウェーの首相は、女性クオータ制を女性優遇ではなく、約半分の女性が活躍しないのは「国益」にならないと発言されたとのこと。

日本において女性議員が増えないいくつかの理由をあげられた中で、女性議員に対するセクハラやマタハラについてのリアルな実情についてお話されたのが特に印象的でした。

講演後の市民からの質問タイムでは、事前に寄せられた質問と当日の参加者さんから集めた質問について時間の許す限り回答してくださいました。

最後に長野さんは、私たちにできるアクションとして「選挙に行きましょう」とメッセージをくださいました。
ちょうど4月には統一地方選挙もあるタイミング。投票に行き地方議会から女性議員の比率を増やし国会に影響を与えていこう、日本も地方議会から変えていけるように。
あいホールの講座をきっかけに皆さんのアクション!が広がることを願っています。
長野さん、ありがとうございました!!!!