令和元年度「あいホールフォーラム」報告
開催日・開催時間
令和元年11月30日(土)14:00~17:00対象
一般市民事業報告
男女共同参画を広く市民の皆さんに啓発するために、毎年開催しているあいホールフォーラム。今年度は「めざそう!政治分野における女性の参画拡大」と題し、三浦まりさん(政治学者・上智大学法学部教授)を講師にお迎えした講演会を開催いたしました。今年のフォーラムは全国女性会館協議会(全国の男女共同参画センターを結ぶネットワーク組織)第63回全国大会in浜松の基調講演でもあることから、北は北海道から南は沖縄まで、全国のセンター関係者と浜松市民が一同に会する機会となりました!
第1部講演会では、三浦さんが女性の政治参画の現状とその意義について講演。先進国の中で大きく立ち遅れる日本の女性政治参画を推進することは、多様で民主的な社会の実現につながる重要な課題であると強調しました。講演では女性議員のインタビュー動画を紹介。「政治は男性のもの」という思い込みが根深い日本では、女性政治家のロールモデルが必要だとお話されました。そして、女性の政治参画が進まない理由の一つとして「自信の無さ」を指摘。女性のエンパワメントや支え手の育成においては、地域の男女共同参画センターが力を発揮できると強調され、今後の取り組みの指針となる言葉に背中を押されたセンター関係者も多かったのではと感じました。
続く第2部はパネルディスカッション。三浦さんの進行のもと、中川正春さん(衆議院議員)、笹原恵さん(静岡大学副学長(ダイバシティ推進担当)静岡大学学術院 情報学領域 教授)にご登壇いただきました。「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」成立の経緯や背景、その効果などについてディスカッションを行い、今後の展望として、中川さんは「(推進法は)多様な社会への重要な一歩。男女共に利益を享受できることへの理解を引き続き進めたい」と語り、また、笹原さんは「生きづらさや不利益が社会のどこからやってくるのかを考えると、男性も女性も課題の根っこはつながっている。共感できるポイントを探れば男女の対立構造は乗り越えていける」と解説されました。
参加者からは、
「政治とは自分たちの生活に直結した身近なもの。当時者意識を持って参画したいと感じた」
「女性参画拡大の具体的な課題、手段が分かった」
「企業内でも活かせると感じた」
「議員の仕事の内容がよく理解できた」
などの感想が多数寄せられ、政治分野における女性の参画拡大についての理解促進、エンパワメントにつなげることができました。
日本は「ジェンダー・ギャップ指数2019」で世界153カ国中121位と過去最低を更新しました。しかし、女性市議率政令市3位と浜松市の女性政治参画は少しずつ進んでいます。今後、浜松市がその歩みを緩めることがないよう、これからも足元(地方政治)からの啓発、推進に取り組んでいきたいと思います。