令和6年度 もう一度働きたい女性のための応援講座 「見つけよう、私らしい働き方」

開催日・開催時間

令和6年8月3日(土)10時00分~12時00分
会場:あいホール302号室

対象

再就職をしたい女性、現在扶養内で働いていて今後の働き方を考えたい女性

事業報告

結婚や出産で一度離職した女性も、ライフステージの変化に伴い、再び働き始めることが多い昨今です。しかしながら年収の壁によって働き方を制限され、十分な収入が得られなかったり、能力が発揮されにくい現状があります。そこで結婚や出産で一度離職した女性や扶養内で働いている女性が、将来の家族を含めたライフプランを見通しながら、今後の自分らしい働き方を見つけるため講座を開催しました。
講師は、小田切克子さん(特定社会保険労務士 CFPⓇ  国家資格キャリアコンサルタント)です。

講座は、ずっと以前に小田切さんが自分の将来の年金を試算してみた時の経験と、それを経て、現在のキャリアになるまでのお話から始まりました。小田切さんにとっては、年金試算の経験が、それから先の働き方を考えるきっかけとなったこと、それと同じように、参加者にとってこの講座が、今後の人生のライフプランを家族と話し合うためのきっかけづくりにしてもらいたいと話されました。

まず、「あなたはなぜ働くのですか?」の問いがありました。内閣府のデータから約60%が「お金を得るため働く」という世論調査の結果を示され、参加者もその結果に納得の中、「働き続けるために、ライフプランを立てよう!」の個人ワークがスタート。自分と夫と子どもの年齢から、人生の「家計の火の車時期」と「お金の貯め時」がわかるワークシートの作成を行いました。このワークから、参加者それぞれが自分の家庭の「火の車」(家計の支出が最も多い時期)と「貯め時」を知ることになり、ぐっと講座の内容が自分ごとになってきました。「貯め時」にあたる比較的子どもが幼いうちは、夫の収入で乗り切ることができてしまうことが多いため、妻が働かない場合もあるけれども、実はその時期が「貯め時」というお話しがありました。既にその時期(働かずに)をとうに越してしまって、「火の車」時期真っただ中の本講座スタッフにとっては少なからずショッキングな内容となりました。
さらに小田切さんは人生の三大支出「老後」「教育」「住宅」について、必要になる資金の具体的な金額や貯め方のコツなどを細かく示されました。特に、老後2000万円問題にまつわる年金を含む老後資金の話、子どもが大学までにかかる教育費についてなどは、大変参考になりました。
次に、この講座の中でも最も興味深い内容と思われる、働き方の違いで生涯年収にどれくらい差が出てくるかのお話がありました。「出産しても仕事を辞めすに正社員として働く」「出産後離職して7年後に再就職しパートタイマーで働く」「出産後離職してその後専業主婦」の場合について比較した生涯年収の差に驚かされました。
働く或いは働かない、また働き方によって、メリットもデメリットもそれぞれあるが、夫か妻のどちらかが何らかの理由で働けなくなる可能性もあることを考えると夫婦で働くことはリスクを分散させる効果もあるという提案をいただきました。
その後、年収の壁に伴う社会保険と税金、年金の説明、国の「年収の壁・支援強化パッケージ」について、資料をもとに説明され、参加者の条件にあわせて考えてみて欲しいと述べられました。

以上のお話を聞いた上で、「これからどんな働き方をする?」をテーマにグループで話し合いをしました。
参加者の意見の中には、仕事をしたいと思う一方で、仕事を再開する上での、キャリアのブランクに対する不安、子育てとの両立に対する不安、子どもの不意のトラブルに対応できるかなど、不安や悩みを訴える声が多く聞かれました。しかし、実際に不安や悩みを言葉にすることによって、同じような参加者と思いを分かち合えたり、自分の気持ちに改めて気づけて良かったなどの声がありました。

最後に小田切さんは、人生の三大支出に今のうちから備えることが将来を変える!人生100年時代と言われています、セカンドライフ、サードライフをどのように生きますか?という言葉で講座を締めくくられました。

参加者からは、「将来がまだ長い事、あまり考えずにここまできてしまったと思いました。ここからでもまきかえしたいと思いました。」「改めて、働き方についての気づきをいただきました。悩んでいるのは自分だけではないんだなと思いました。よく考えて、行動に移せたらと思います。」「自分で考えるだけではモヤモヤしていたものが、他の方とお話するなかで自分の思いにも気づきがたくさんあって勉強になりました。」などの声が寄せられました。

あいホールでは、働きたい女性が、自分らしく、安心して、働くことのできる社会の実現をめざして男女共同参画の推進、ジェンダー平等の啓発を進めていきたいと思います。