令和3年度あいホールフォーラム スポーツとジェンダー 益子直美講演会&トークセッション「監督が怒ってはいけないバレーボール大会を企画した理由」

開催日・開催時間

日時:令和4年3月6日(日)14時~15時30分
会場:浜松市男女共同参画・文化芸術活動推進センター(あいホール)1階ホール およびオンライン配信(YouTube)

対象

浜松市在住・在勤の方

事業報告

市民のみなさんに広く男女共同参画について知っていただくために実施しているあいホールフォーラム。まんえん防止等重点措置の適用中ではありましたが、あいホールの会場とオンライン配信のハイブリッド開催で実施しました。今年度のあいホールフォーラムはスポーツとジェンダーをテーマに、元バレーボール日本代表・スポーツキャスターとしても活躍中の益子直美さんをお迎えして講演会とトークセッションを実施しました。

 

第1部の講演会では、益子さんが「監督が怒ってはいけないバレーボール大会」を企画した理由や思いを語っていただきました。パワーポイントの画像や、実際の大会の映像を交えながら、わかりやすく楽しくお話をしていただきました。益子さんがバレーボールをしていた中学、高校時代は「怒る指導」が当たり前。バレーを楽しめなかったご自身の経験が「監督が怒ってはいけないバレーボール大会」を実施することになった背景にあるそうです。子どもたちが自ら考えて動くこと、「好き」「楽しい」というワクワクした気持ちを持ち続けることで子どもの主体性は育ち、こどもの成長や互いに尊重し合える関係づくりにつながるとのお話でした。

 

第2部ではジェンダーの専門家である特定非営利活動法人参画プラネット代表理事の渋谷典子さんの進行で、益子さんと、浜松市でもバレーボールの指導経験のある国際武道大学男女バレーボール部コーチの藤原道生さんとのトークセッションを実施しました。事前に市民の皆さんから寄せられた質問や、当日会場の皆さんから寄せられた質問に答えていただきながら、トークセッションが行われました。藤原さんからは指導の現場を知る指導者ならではの視点で、スポーツ基本法に則った指導の大切さについてもお話していただきました。また、ジェンダーの問題としてスポーツ選手と生理の話や、スポーツと性の多様性についても触れられました。ひとりひとりがスポーツを楽しめるようになるためにも、スポーツマンシップを小さいころから教えることが大切だそうです。「指導者はずっと学び続けなくてはならない」という益子さんの言葉が印象に残りました。

参加された方からは

「スポーツ基本法による理念に基づく指導がスポーツ界に行き届くことを期待します。スポーツはサービス業という言葉も聞けて安心しました」

「指導の本質はRespect(→尊敬ではなく、尊重)であるという、藤原さんの言葉が最も心に刻まれました」

「何かを伝える時、怒らず、なんと言ったらいいかいつも考えています。怒りは手っ取り早いけど、相手とつながって、信頼し合って進むことはできないと感じます。スポーツだけでなく、子育てやコミュニケーションを取る時も同様だと思いました。相手も納得して楽しい、面白いと思えるよう伝え方を考えていきたいと思います」

「教員です。非常に勉強になりました。私も怒られながら育った世代ですので、これからの指導の仕方をもっと勉強しなければと思いました。今日のお話を伺えてよかったです」

「話の中で何回も出た「怒る指導は判断力を無くし嫌いになる」から「楽しい、面白い、大好き」にさせる指導が大切ということは子育てや教育にも当てはまることだと感じた」

などの感想をいただきました。

 

あいホールでは、これからも広く市民の皆さんに男女共同参画について知ってもらう機会を設けていきたいと思います。