【図鑑5】カラフルなものへのときめきが私の原点 色の持つ力で未来へと導くサポートを

石垣 智子(いしがき ともこ)さん/Rose DE・CO(ローズデコ)代表、カラーセラピスト

 

石垣 智子(いしがき ともこ)さん

 

カラーから導かれた心の声を届ける”通訳者”

幼いころから、ビーズなど小さくてキラキラしたものが大好きでした。あふれんばかりの瓶いっぱいに詰まった宝物を見ているときの幸せな気持ち。カラフルなものに心奪われていた、ときめきとワクワクが私の原点です。カラーセラピストの資格を取ったのは9年前、長女が9歳のときでした。色が人に与える影響というのは古くから考えられ、カラーセラピー(色彩療法)は、さまざまな場所で活用されています。

実際にわたしが行っているのは、スワロフスキー* を用いたセッション(カウンセリング)です。15色と19色のスワロフスキーの中から、クライアントさんにカラーを選んでもらい、今の気持ち、過去・現在・未来へどう進みたいかを見ていきます。ぱっと目に飛びこんできたカラーに気持ちが表れています。わたしはいわば、色の通訳者。色にはそれぞれ世界共通の色彩言葉があります。それをお伝えすることによって、心の奥にあるその人の思い、心の声を代弁してあげるのです。自分でも気づかなかった思いを知ることで、自分が本当はどうしたかったのか、どうしていきたいのか、新たな思いを知ることができ、そこから行動を起こすこともできます。
*1895年にオーストリアのチロル地方で創業したスワロフスキー社が製造するクリスタルガラス

だれかを笑顔にできるのが、ものづくりの魅力

これまで、カラーセラピストとしての活動とともに、ハンドメイド作家としてデコアートにも力を注いでいました。スワロフスキーを用いたアクセサリーやサンキャッチャーの制作、講座も行っています。サンキャッチャーの講座は開講から9年間続けていて、受講者はのべ100名以上となりました。たくさんの方に喜んでいただいています。虹色の光のシャワーとなって輝くサンキャッチャーは、見ているとパワーがわいてきます。サンキャッチャーに使う石は、カラーセラピーで未来を表す色を引いてもらい その方がどんな風にこれから進んでいきたいかを取り入れて作るのです。

わたしは小さい頃から曾祖母や祖母が手作業で作ったアート作品を見て育ち、キラキラした小さいビーズなどをよく集めていました。ブレスレットを作ったり、壁掛けのようなものを作ってみたり 暇さえあればなにかを作っていたように思います。 作りたい という気持ちが人一倍強かったかもしれません。集中して何時間も、小さいものを作っていく作業がとにかく好きでした。そういったことが今の活動の土台になっていると思います。

浜松はミシンや楽器、バイク、車など製造業が盛んな街です。私たちの祖父母、父母などその業種に携わっている人がとても多くいます。私たち浜松っ子はそのDNAを受け継いでいるからこそ、手先が器用で何かを「作る」ことが得意な人が多いのではないかと思っています。今はコロナ禍でなかなかイベントを開催できなくなり、ハンドメイドを販売する機会は減りましたが、それでも自分の作ったものでだれかを喜ばせることができる、という喜びは忘れていません。だれかを笑顔にしたい、という思いはずっと変わらず持ち続けています。

会社を辞め、ハンドメイドで起業を決意

2007年にデコレーションアーティストの資格を取り、翌年12年間勤めていた会社を退職し、 大好きなハンドメイド、デコアートでやっていこうと起業することを決意しました。もちろん、やっていけるのかなと迷いもありました。事務所を探していたとき条件に合う物件を見つけたのですが、ちょうどその時は空いていませんでした。一度は諦めたのですが、10日後くらいに部屋が空いたと連絡があり、 これはチャンスだ!これを逃したらだめだと思い切って退職し、事務所を借りることを決めました 契約には夫に立ち会ってもらいました。夫には前から相談していましたが、ただ「起業したい」という感情論ではなく、事業計画書を作り、これならきちんとやれると数字を見せて納得してもらいました。今思えば、あのとき思い切って進んでよかったです。モチベーションになったのは、やはり、好きなことをやっていたから。 好きなことだから、がんばればいいその思いを強く持って、やってこられたのだと思います。

 

仲間とのチャレンジが広がり、大きな力に

事務所を借りてすぐの頃、経営の学びと交流も欲しかったため、あいホールで開かれたはままつチャレンジ塾に参加しました。チャレンジ塾の翌年には はままつ女性カレッジに参加しました。両方とも得られるものは大きく、その後の糧となりました。いろいろな人とつながりを持てたこともよかったと思います。発表を通して仲間とのつながりも深まり 1人ではできなかったことを助け合い、協力していくことで成し遂げることができました。その後チャレンジ塾や女性カレッジの仲間と一緒に、「The☆資格フェス 」というイベントを開催しました。カイロプラクティックやベビーマッサージなど こんな資格がありますよ、と来場者に紹介したり、体験してもらったりして、多くの人に喜んでいただくことができました。仲間と協力してこのようなイベントを成功させることができて、本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。

親子の絆が深まるバースデーカラー診断

現在力を入れていることのひとつに、親子のバースデーカラー鑑定があります。お子さんと保護者にそれぞれ色を選んでもらい、その方の心の奥の声を言葉にしてお渡しします。生まれ持った運命色を知ることによって、自分のタイプを知ることができます。面白いことに、親子であっても当然持っているものが違うのです。わたしの常識がこの子の常識ではない、無理に押しつけてもしょうがないのだと気づかされます。そもそもタイプが違うんだと分かれば、子どもにガミガミ言わないで認めてあげることができ、親子の関係がもっと楽になると思います。

わたし自身、カラーセラピーに救われた部分があります。長女とはぶつかることが多く、彼女のことを理解できずに悩んでいました。そんなときカラー鑑定で 自分の特徴や長女の特徴について知ることができて、 ああ、そうだったんだ といろいろ納得しました。そのことに気づかなかったらきっと今も なんでうまくいかないんだろう と苦しんでいたと思います。お互いの性質を知り、母親のわたしが引く。引くことで、うまくいくようになった気がします。わたしも子どもも楽になりました。

楽になることは決して手抜きではないし、悪いことではないのです。子どもにいろいろ言わなくなることで、この子がよくない方向に進んだらどうしよう、と心配はしました。けれど、ガミガミ言っていたときの方が、ストレスがたまってよくなかったと思います。

カラーセラピーを通して幸せを届けたい

わたしのカラーセラピーのセッションで、今困っている人の救いになれればと思っています。困っていることを、どうか1人で抱えないでほしいのです。「頑張らなくていいよ」と伝えたいです。また 女性カレッジでできたつながりもあり クライアントさんが困っていたら、行政などの相談場所を紹介することもあります。 わたしが橋渡しをすることで救われる人はきっといる、そう信じています。ためこんだ悩みで険しい顔をしていたクライアントさんが、ほっとした笑顔になったとき、本当にやりがいを感じる瞬間です。これからも、一人ひとりの笑顔を大切にしながら、多くの方に幸せを届けていきたいと思っています。

石垣智子さん略歴

 

2004年長女出産
2006年次女出産
2007年デコレーションアーティスト資格取得
2008年12年勤務した会社を退職
2013年デコアート工房Rose DE・CO設立
2014年はままつチャレンジ塾*2013参加
2014年第1回The☆資格フェス2014開催
2014年カラーセラピスト資格取得
2015年第2回はままつ女性カレッジ参加
2015年第2回The☆資格フェス2015開催
2015年はままつガーベラ姫プロジェクトに参加

 

インタビュー感想

村田 実佳さん

選んだカラーからどう進んでいきたいかが分かったり、自分の本来持っているカラーがあったり。石垣さんからうかがうカラーセラピーの世界は、わたしにとって、驚きと感嘆の連続でした。カラー鑑定で自分でも気づかなかった思いを知ることができ、じっくり気持ちに向き合い、前に進んでいくことができる、カラーセラピーはまるで、新たな世界の扉を開くみたいだと感じました。石垣さんのクライアントさんに寄り添う姿勢、目の前の方を少しでも笑顔にしたい、という想いに心を打たれました。

(インタビュー実施日:2022年5月24日)