読後感想 2012 前篇



センターの書籍を借りて読まれた方に、本の紹介や感じたことを自由に書いていただきました。
当センター所蔵の本の感想をお待ちしています!


モンスターペアレンツの正体 
山脇由貴子  中央法規
 近年、増加している恐るべき「モンスターペアレントの正体」… それは心身ともに疲れ切っている大人たちであったと著者はいう。生活に追われ、競争に疲れた大人たちは、心にゆとりをなくしてしまい、心を許しあえる仲間も見つけられず、自分以外の人を攻撃することで、ストレスを吐き出しているようだ。
 全ては、コミュニケーション不全によるものだと著者は言う。もう少し、仲間を見つけて語り合い、楽しい話題と時間を共有できれば、そんな不満や不安は消えてしまうのに…。     
 男女共同参画推進センターの寄り道カフェでいろんな人たちと語り合い、心のモヤモヤを晴らしてみませんか。モンスター・クレーマーと言われないために。 (50代 女性)
女性が甘ったれるわけ 「女の美徳」という神話   
松原公子 長崎出版
男女が平等であれば女性は男性に甘えたり、媚びたりする必要はない。「家庭科共修が性別役割分業の解消には結びつかず、不平等な社会構造の力関係を変化させるまでには至らなかった理由」を家庭科教員としての経験から解説。 (H・C)
事実婚、新しい愛の形
渡辺淳一  集英社
 この事実婚の本を読んでいく内に日本では法的に認められていない制度としてのメリットも良く理解できた。
 私が大学生の昭和40年代の頃、神田川、なごり雪、さぼてんの花等に代表される歌、すなわち同棲時代の事が頭によぎってきた。私は経験が無いが青春時代の一つの願望としてあったことは事実である。しかし、同棲であれ事実婚であれ、私はデメリットの方を重視せざるをえない。別れがやってきた時、かなりエネルギーを使うだろうし、スマートにはいかないと思う。
 スウェーデン等の諸外国が事実婚のパーセンテージが高いのは、ゲルマン民族等の大移動が昔あり、自分たちのルーツが何人なのかはっきりしないのも一つの作用ではないだろうか? 日本人は、ルーツがある程度わかっており、法的に結婚をし、お互いの家庭の調和を計ってこそ日本人であると思う。事実婚は、将来日本では増加しないと思う。 (60代 男性)
晴子情歌(上・下)    
高村薫  新潮社
 上・下巻の大作である。その下巻の143頁に「小さく固まって自らを閉ざした蓑(みの)虫(むし)の極小の闇は静謐(せいひつ)だろうかー」の1行がある。どう読んでも男の文章である。この作家が四世紀前に「マークスの山」を引っさげて文学界にデビューした時、私はずいぶん長いこと作者は男性とばかり思っていた。それほど文章は骨太で力強く、やがて女性と知って驚いたものである。その後、原発を扱った「神の火」や「リヴィエラを撃て」といったスパイ小説を経て「照柿」に至り、文章はますます男っぽくなっていった。今、私が筆者の名前のみで無条件に本を買ってしまうのは、高村 薫と大江健三郎と山崎豊子の三人であるが、中でも高村 薫は最も注目している作家である。最近では、震災や津波、原発事故の3.11大震災に対する政府の無能ぶりに「国民はなぜもっと怒らないのか」とゲキを飛ばす頼もしい庶民の味方である。この本は、その彼女が珍しく女性のこまやかな視点で描いた一女性と息子の交感の物語で、描かれる時代背景は男女共同参画の視点からも興味深い。是非、ご一読を。 (和合のイシちゃん)
男だてらに「女泣き」 ジェンダーと男女共同参画社会入門
奥山 和弘  文芸社
 ジェンダーとは、文化的、社会的に作られた男女の性差であるが、固定的でなく、変革しうるものである。ジェンダーフリーな社会、職場、つまり固定的な役割分担意識にとらわれず、男性も女性も能力とやる気を活かせる男女共同参画社会が求められているとの理由は理解できた。男女共同参画社会でのジェンダーの枠組みは、男らしさ、女らしさを指す場合も多い。男女共同参画社会がジェンダーフリーを目ざすことは、この性差、男らしさ女らしさを否定することではないと本文では説明しているが、性差の本心を探ると問題が多少あるように感じる。個人として男らしさ女らしさに合った生き方、つまり、個人のパフォーマンスまでも干渉するものではない。やはり個々の性差を尊重される必要がある。個人差を生かし、共に生きていく社会が共同参画を目指す方向である。日本人は右だと言えばみな右に傾き、主体性の無い国民なので、個人差を尊重できる社会を目指すには時間がかかる。 (篠原のあっちゃん)
ハッピー ワーキング マザー BOOK  
ムギ畑(編)
 WM<ワーキングマザー)は、子どものがいない働く女性や専業主婦に比べて仕事や育児に対して60%の力しか割けれないが、両方足すと120%となる。とても魅力的な生き方の一つであると筆者は書いている。  この本を読んで、WMとしての喜びやWMとして生きる上での障害など具体例を基に知ることができ、新しい視点に気づくことができてよかった。  WMは他社からの仕事の評価と子どもから必要とされている実感の両輪により高い自己肯定感を感じそれがまた活力となりエネルギッシュに日々を生きていく。一方では多くの障害が立ちはだかっている。「制度が整っていない、制度があっても実態がない、実態があっても周りの理解がない」「超過労働をして一人前という風潮」。日本において職場での育児休暇の取得がどれほど少なく職場や社会の理解が少ないかを実際のWMの声を知ることができ、今後の日本の課題についても考えさせられた。 (静大のA・I) 自分の始末          
曽野綾子  扶桑社
 曽野綾子の作品は、ハッキリとしていて、とっても解りやすく、私も今日から実行していこうという気にさせてくれる。年を重ねていくと、背中も心もゆるんで…背すじをピッとのばさなければ…錆びつかないように手入れを怠らない、人間もこれだけはぜひしたいと思う目的があると少々無理をしても体と心を保ってしまうと文中にあるけれど、私も忘れずにいつも頭の中に入れておこう。
 これから冬になり、一人でゆっくり読書をする時間が増す、とっても幸せなひと時である。娘や孫と接する時は、わずかでも朗読、お料理、子どもの本のすばらしさで目を輝かせることが出来ればと思う。
 ボランティアも少し心がけて音楽を聴いていただこうかしら!毎朝神社のお参りも皆の無事を祈りつつ暮らすもうじき70歳のおばさんです。 (60代 女性)